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イギリスの福利厚生について

Posted 7th May 2019 • Written by Team Japan

この記事は、海外赴任LAB に2018年12月に掲載したものです。元の記事はこちら

意外と少ない! イギリスの福利厚生


優秀な人材の確保・定着にはどこの企業も頭を悩ませており、そのための有効手段の一つが福利厚生です。イギリスでももちろん上記以外にもさまざまな内容があり、福利厚生フェアなどのビジネスショーもあるくらいです。

しかし、日本から来てみると、英系企業の福利厚生の実際にびっくりされる方も多いと思います。小規模オフィスの場合、政府が定める被雇用者年金の雇用者側からのトップアップ(2018年11月時点で収入の2%、2019年4月より3%に引き上げ予定)のみとなっているところも多いのです。

終身雇用という考え方がなく、3年から5年程度で転職するのが珍しくなく、働き方も仕事の専門性等によって契約やフリーランス、派遣など多様化しているイギリスでは、働く側は福利厚生よりもその時々での年収の金額を上げていくことを重視しているからではないかと思います。日本でよくある交通費の支給や家賃補助もこちらではなく自己負担となります。

運動会、社員旅行といったものもこちらではまず考えられません。個人生活と仕事を分けて考えるイギリス人は、個人の休暇を会社関連の行事で使用することは好まないでしょう。

福利厚生の代表例

とはいえ福利厚生はあればあっただけうれしいものではあります。代表的なものを下記にあげますと、
• Private Medical Insurance
NHSに行けば医療費無料で診療が受けられますが、アポイントがなかなか取れなかったり専門医に会うまでに時間がかかることもあります。会社が提携しているプライベートの医療機関での診療/治療費を保険によって企業がカバーするもので、一部負担から全額負担まで保険の種類によりさまざまな内容があります。
• Dental Plan
上記同様、プライベートの歯科医院での治療をカバーする保険です。
• Company Car/Car Allowance
営業など車での移動が多い社員に支給することが多いです。会社が車を買って与えるというより、自家用車での移動を認め、移動にかかる費用等を会社が負担するというものですがこちらは非課税となりますので被雇用者にとって収入上のメリットとなります。
• Mobile Phone, PC
こちらも必要によって会社が支給/貸与するものです。
• Child Care Voucher
ナーサリーや小学校の時間外のチャイルドケアのカバー、ホリデークラブ(夏休み等に子供を預かってくれるクラブ)等に使用できるバウチャーで、こちらも非課税となり被雇用者にとって実質上収入がプラスとなります。
• Sport Gym/Health Club
会社が提携しているジム/ヘルスクラブに割引または無料で行くことができます。

これ以外にも、傷害/疾病保険、生命保険、死亡保険や、勤務期間に応じて休暇数が増えるなどが代表的なものといえます。また最初に述べた年金のトップアップを、法定レートよりも高く設定している企業も多くあります。



こんなものもある、イギリスの福利厚生


一方、先進的な企業等がどのような福利厚生を用意しているかもご紹介します。
最近特に健康志向が強まっていることもあり、従業員の健康を向上させるようなプログラムが増加しています。社内ジムやプール、社内健康相談所、ロンドンのグーグル本社の屋上にはランニングコースがあることで有名ですね。


• 朝食、昼食、軽食、夕食が無料
一日中社員食堂が営業しており好きな時に食事ができる。オフィスにフルーツのデリバリーがあり好きなものを無料で取ることができる、などです。健康を考慮するのはもちろんのこと、ヴィーガン、ベジタリアン、多国籍/宗教等を考慮しあらゆるニーズに応えられる内容です。
• チャリティ休暇
イギリスではチャリティ活動がさかんです。通常の有給休暇に加え、チャリティ活動に参加した日を有給として扱うものです。
• 弁護士相談費用の負担
訴訟の多いイギリスならではの福利厚生ですね・・。指定の法律事務所に無料/割引で相談できるというものです。
• ペット保険のカバー
日本に劣らずこちらでもペット保険は高額です。一部でも負担してもらえればありがたいですね。
• Cycle to Work Scheme
環境や健康のため自転車での通勤を促進するための制度です。自転車やヘルメット等安全に関する製品の購入に関し、企業がお金を貸してくれる制度で、こちらは非課税となるため収入上のメリットとなります。



終わりに


イギリスでは、基本的には基本年収+ボーナスで働いてくれた分を還元するのが原則です。人材マーケットに即した給与設定、そして予算に応じ上記に挙げたような代表的な福利厚生を少しずつ整えていくのがいいでしょう。すでに英国で福利厚生制度を用意している企業の場合も、例えばここ数年増えてきた自転車通勤の優遇制度など、時代を反映した内容も考慮し定期的に専門家のアドバイスを受け見直しをはかることが必要でしょう。