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ロンドンの人材マーケットについて

Posted 8th March 2019 • Written by TeamJapan •

※この記事は、海外赴任LABに2018年9月24日に執筆&掲載した記事になります。元の記事はこちら

世界屈指のビジネス都市として、世界中から様々な人材が集まってくるロンドン。Brexitの先行きが未だ不透明ではあるものの、まだまだ好景気を保っているように見えます。

その一方でロンドンの物価/家賃は高く、テイクアウェイのランチが5ポンド~、オフィスの賃料や交通費の高さ(そしてそれに見合わないサービス)に驚かれる方も多いと思います。

こうした生活費の高さから、ロンドンから出て地方都市へ移る若手層が増えてきたとの調査もあります。Brexit以来、仕事を求めてロンドンに移住するヨーロピアンの数も減少し、逆に母国へ帰国する数が増加しています。

日本からロンドンに赴任し、採用を手掛けることになるにあたり、知っておいたほうが良い英国/ロンドンならではの人材マーケットの特徴についてまとめてみました。

 

平均勤務年数は3年程度

「駐在はいずれ帰国するから、ローカルスタッフにはできるだけ長く勤務してもらい、会社業務を理解してほしい」と、お客様からよくお聞きします。

「新卒採用」がないこの国では一流大の卒業生や専門的な学位の取得者を除き、大学を卒業しただけでは実際の経験がないため、希望の仕事にはつけません。そこで自分が納得する仕事が見つかるまで、いろいろな職につくことになります。そういった仕事の場合、1~2年で職場を変えるのが普通です。

また、経験を積むと、さらに上のポジション/給与アップを目指し積極的に転職します。従って若手の場合、期待できる勤務年数は1~2年、経験者で3~5年程度となります。

英国オフィスが小規模の場合、ステップアップのためのポジションを用意することができず優秀な方が辞めてしまう・・頭が痛い問題です。

 

日本語を話す人材は減少している

海外駐在には大変なコストがかかります。従ってできるだけローカル採用を進めることが重要なのはご存じのとおりです。職種によっては、どうしても日本語が必要なものもあると思います。日本語を話す人材は、やはりロンドン中心部に集中しています。ロンドン郊外や地方に拠点をお持ちの企業では、日本語を話す人材の確保に苦労されておられるようです。

英国での就労ヴィザの取得は非常に厳しくなってきており、現実的には英国/欧州の方と結婚された日本人の方か、英国に在住可能なヴィザをお持ちで日本語を勉強された方のいずれかになります。冒頭で触れたとおり、Brexit以降英国/ロンドンへ職探しに来る方が減ってきていることと、日本の人口減少、また結婚して英国へ移住してくる方の数にも限りがあるため日本語を話す人材の数は減少傾向にあります(駐在員及びその家族、研究者等の数は考慮していません)。

 

採用活動はスピードが重要

求めるスキルを有しており、かつコミュニケーション能力が高い人材・・国を問わずどこでもこうした候補者は引っ張りだこです。日本の場合も若手人材は売り手市場かと思います。しかし英国の採用で異なるのは、実際に募集が始まると基本的にはオファーまでの流れが比較的速いことです。優秀な人材ほど面接やオファーが集中することを人事も心得ており、これはという人材に対してはできるだけ早くオファーをし、候補者の決断を早めようとします。検討に時間がかかりすぎる場合、雇用したかった人材を逃してしまうことにもなりかねません。

 

多様な働き方が企業/人材双方の幸福につながる

キャリア、年収も重要ですが、英国/欧州人は個人生活や家族も非常に大事にしています。子供と過ごす時間を増やしたいと時短勤務や残業をしない勤務に切り替える人々も多くいますし、企業もそうした個人のニーズに応えられるよう勤務形態を工夫することで、優秀な人材をつなぎとめることができています。自宅勤務や時短勤務、フレックス制を取り入れる、また足りない部分は派遣でカバーするなど、人事の柔軟な発想/対応が必要となっています。